サイディング壁(窯業系)


工場で制作された板状の外壁材(何枚も釘やビスなどで留め付けて用いるもの)を総称して、サイディングといいます。
使用材料によって窯業系、金属系、木質系などに分類され、セメント質と繊維質を主な原料にしたものを窯業系といいます。防火性、施工性、意匠性に優れています。

サイディング

 

 

日常のお手入れ

汚れた場合はブラシやモップで水洗いします。表面に塗装しているので、ブラシは柔らかいものを使用して、塗膜にキズをつけないように注意しましょう。
特に目立つ汚れは、モップやスポンジに中性洗剤をお湯で薄めたものをつけて汚れを落とし、後から洗剤分を水で洗い流します。外壁にホースで散水する場合は必ず上から下に向けて散水します(下から上に向けて強い圧力で散水すると、接合部の目地から漏水することがあるので注意しましょう)。

注意する事

掃除の際にシンナー等の溶剤は使用しないで下さい。また、サイディングの継ぎ目に充填されているシーリング材は、水の侵入を防ぐために大切な機能を果たしているので、絶対に傷つけないように注意しましょう。

金属板・サイディング壁(金属系)


防水性、経済性に優れ、外壁仕上げ材として多く用いられています。
金属系サイディングは断熱性や遮音性を配慮した複合パネル(アルミ、鉄、銅、ステレンレスなどの金属の板を表面材にして、ポリウレタンなどの発泡樹脂で裏打ちした断熱性や防音性に優れたパネル)が大半です。単体の金属板は、内部結露が生じやすいので冬季には注意が必要ですが、いずれも金属は吸湿性が低いので凍害に強い特徴があります。

サイディング

 

 

サイディング

 

 

 

日常のお手入れ

吸湿性が低いので、少々の汚れは手軽に水洗いで落ちます。この際、表面に傷などがつくとサビなどの原因となりますので注意しましょう。

 

モルタル壁


一般にモルタルを3回程度(下塗り、中塗り、上塗り)塗った上に、仕上げ材として吹付タイルやリシン(砂粒状の塗料)などで塗装した壁です。
モルタル壁は、タイルの性質上、乾燥収縮によるひびが入りやすく、これを完全に防止することは困難です。しかし、下層に耐水合板や防水シートなどの防水層があるので、ヘアクラック(毛髪の太さぐらいまでの微細なひび割れ)程度であれば心配いりません。

モルタル

 

 

日常のお手入れ

雨水のはねあがりなどの汚れは、仕上げを損傷しない程度に柔らかいブラシなどで水洗いします。また、基礎のまわりに、犬走りとよばれるコンクリートや砂利敷きなどで仕上げた部分を設けることにより、これを防止することができます。

注意すること

外壁にボールをぶつけて遊ぶことは避けてください。モルタル損傷や汚れの原因となります。

タイル貼り壁


一般にモルタルを3回程度(下塗り、中塗り、上塗り)塗った上に仕上げ材のタイルを貼る湿式工法と、構造用合板の上に防水シートを張り、その上にパネルを取り付け、タイルを一枚ずつパネルに引っ掛けて取り付けた後、目地をモルタルで充填する乾式工法があります。

タイル

 

 

日常のお手入れ

汚れた場合は、素材を傷つけない程度の硬さのブラシやモップで水洗いします。

注意すること

外壁にボールをぶつけて遊ぶことは避けてください。タイルやモルタルの損傷、汚れの原因となります。

 

板張り壁


板張り壁は、一般的にはワニス(ニス)やオイルステイン、オイルペイント(ペンキ)などで塗装した板を張って仕上げた壁です。特に、透明に仕上がるワニスや、素地に着色料を吸収させて塗膜を作らずに材木の持ち味を生かすオイルステン仕上は、自然の木の優しさや温かみが感じられます。

板張壁

 

 

日常のお手入れ

汚れが気になる場合は、乾いたタオル、座敷ぼうきの先にストッキングをかぶせたもの、もしくは静電気タイプのハタキなどで、軽くホコリをとります。そして、住宅用洗剤を表示どおりに水で薄めた液で、ぞうきんをゆるめに絞り、汚れが気になる箇所を中心に壁の全体をまんべんなく均一に拭きます。この時に、ぞうきんを何枚も用意して、常にきれいな面を使うことと、必ず均一に拭くこと(1か所に力を入れてゴシゴシこすらないこと)を心がけます。こすり過ぎると、そこだけ後で変色することがあります。汚れがとれたら、水で固く絞ったぞうきんで、残った汚れや洗剤分をしっかり拭き取ります。この時も、ぞうきんは洗濯機でまとめて脱水するなど、何枚も用意して、常にきれいな面を使うようにします。

注意すること

板張りは自然材質のため、天候、温度、湿度などの環境変化に左右されやすいものです。
雨でぬれた外壁には十分に日光が当たるように配慮し、反対に夏季は日光が当たり過ぎないように、すだれや屋外パーティションなどで遮断するなどの工夫をしましょう。
また、板張り壁は雨水や湿気を受けることにより腐りやすくなりますので、常に乾燥状態を保てるよう留意しましょう。

バルコニー・濡れ縁のお手入れ


バルコニーや濡れ縁は、常に風雨にさらされているため、破損や腐食などを受けやすい部位です。頻繁に雑巾がけをしてほこりをためないように心がけましょう。また、排水溝のゴミはこまめに掃除することが大切です。バルコニーと部屋との段差はあまりないので、排水溝が詰まっていると、大雨の時に排水が間に合わずプール状態になり、あふれた水が室内の侵入してしまうおそれがあります。

 

部位別お手入れ方法